カテゴリー: SAP

  • 【SAP】クライアント依存、非依存

    依存、非依存

    SAPシステムでは、クライアント依存オブジェクトとクライアント非依存オブジェクトが存在します。クライアント依存オブジェクトは、各クライアントに固有のデータや設定であり、他のクライアントには影響を与えません。一方、クライアント非依存オブジェクトは、全てのクライアントで共通のデータや設定であり、特定のクライアントでの変更は他のクライアントにも反映されます。

    依存オブジェクトと非依存オブジェクトの例

    オブジェクトの種類依存オブジェクトの例非依存オブジェクトの例
    カスタマイジングクライアント設定、伝票番号範囲、画面レイアウト、権限設定IMGアクティビティ(一部)
    マスタデータ顧客マスタ、仕入先マスタ、品目マスタ、ユーザーマスタ言語設定、国設定
    トランザクションデータ受注伝票、出荷伝票、請求伝票、会計伝票
    プログラムABAPプログラム、汎用モジュール、BAdI、Enhancement Spot
    テーブル系データエレメントテーブル定義、ドメイン
    その他バリアントトランザクションコード

    この表のように、クライアント固有の設定(環境設定や会社データなど)は依存、そうでないものは非依存となります。

  • プログラムの拡張

    プログラムを拡張する方法

    • アドオンPGM PGMを新規作成して独立した機能を作成する。標準コピーPGM 標準PGMをコピーして作成する
    • Exit標準の拡張 標準機能の拡張ポイントあらかじめ決められた箇所にプログラム拡張のロジックを追加することができる

    Exitオブジェクトは既存のSAP機能の振る舞いを部分的に変更するのに対し、アドオンプログラムは新しい独立した機能を付け加える。

    アドオンの方が機能拡張の自由度は高くなるが、Exitに比べて開発工数が多くかかる傾向にある。小規模な機能変更ではExitを、大規模な新機能追加ではアドオンを選ぶ、といった具合に使い分けが一般的。

    Exitとは

    Exitとは、標準機能に追加できる拡張プログラムのこと。標準のプログラムを直接変更せず、機能を拡張することができる。

    ここでは、ユーザExitとカスタマExitの違いについて解説していく。

    ユーザExit

    SAP標準のプログラムコードに組み込まれているユーザ定義の拡張ポイントで標準プログラムの実行中に、あらかじめ決められた場所でユーザ独自のコーディングを挿入できる。

    カスタマExit

    ユーザExitとは違い、標準プログラムにあらかじめ用意された拡張ポイントはない。その為、カスタマExitをSAP標準のプログラムから呼び出すコーディングが必要。

    実装方法

    アドオンプログラム

    SE38でプログラムを新規作成

    ユーザExit

    SE37で汎用モジュールを新規作成

    カスタマExit

    SE38でプログラムを作成。CALL CUSTOMER-FUNCTION文を使って標準PGMでカスタマExitを呼び出す。

  • 【SAP】SDモジュール

    【SAP】SDモジュール

    SDモジュールの概要

    SAPのSDモジュールとは、Sales and DistributionSales and Distribution の略です。

    SDモジュールは販売管理のモジュールで、

    受注、出荷、請求

    この3つの機能が大まかな流れとなっていており、最終的に請求情報をFIモジュールと連携させます。

    SDモジュールのチュートリアル動画

    主要機能の詳細

    • 販売管理: 顧客からの注文を効率的に処理し、価格設定や割引管理を通じて、企業の販売戦略をサポートします。
    • 配送管理: 出荷から配送計画、輸送まで、商品が正確にタイムリーに顧客に届けられるように管理します。
    • 請求管理: 販売活動に基づく請求書を生成し、企業の収益管理を強化します。
    • 価格決定: 複雑な価格設定ロジックをサポートし、さまざまな販売条件下での価格を自動的に決定します。

    SAP内での統合

    SDモジュールは、資材管理(MM)、財務会計(FI)、管理会計(CO)など、SAPの他のモジュールと密接に統合されています。この統合により、販売と流通のプロセスが他の業務プロセスとシームレスに連携し、企業運営の効率化を図ります。

    特にSDモジュールは、同じくロジスティック系のモジュールであるMMモジュール(Material Management)と関連性が高くなっています。

    ロジスティック系のモジュール

    商品の購入、生産、在庫管理、商品販売といった物流をメインとするプロセスを扱います。

    SDモジュールのビジネスへの価値

    SDモジュールを活用することで、企業は販売プロセスを効率化し、顧客満足度を高めることができます。正確な配送、迅速な請求処理、柔軟な価格設定により、市場での競争力を強化し、収益性の向上を実現します。

    SDモジュールの活用には以下のようなメリットがあります。

    • 効率的な販売プロセスの最適化
    • 顧客満足度の向上
    • 収益性の向上と市場競争力の強化
    • グローバルビジネスのサポート

    結論

    SAP SDモジュールは、現代の企業が直面する販売と流通の課題を解決するための強力なツールです。その包括的な機能セットとSAPシステム内での統合性により、企業はより効率的な販売プロセスを実現し、顧客満足度を高めることができます。エンジニアやコンサルタントは、SDモジュールの深い理解を通じて、これらの利点を最大限に活用することができます。

  • SAPクエリ

    SAPクエリ

    SAPクエリとは

    SAP クエリアプリケーションは、デフォルトで含まれていないレポートを登録する場合に使用します。SAP クエリは、SAP プログラミング言語 ABAP に関する知識が少ないユーザ、または知識を持っていないユーザ向けに設計されています。

    SAP クエリでは、幅広い方法でレポートを定義したり、基本一覧、統計、ランク一覧などのさまざまな種類のレポートを登録することができます。 

    SAP クエリは、クエリインフォセットクエリインフォセットユーザグループ、および言語比較の 5 つのコンポーネントで構成されています。

    SAP ERPに標準搭載されている参照系の機能で、テーブル情報を一覧検索し、参照できるプログラムのこと。テーブルの必要な項目だけを参照することができる

    ビューとの違い

    ビューとは、、

    テーブルからデータを抽出し、新しい仮想テーブルを作成するために使用されるデータベースオブジェクトのこと。

    SAPクエリビュー
    定義データ抽出ツールデータベースオブジェクト
    作成方法クエリを記述クエリを記述
    データ取得方法テーブル、ビュー、外部データソースからテーブルから
    機能複雑なクエリの実行、データの可視化、分析データの抽出
    利用方法データベースへのアクセス権を持つユーザーが利用できるデータベースへのアクセス権を持つユーザーが利用できる
    SAPクエリとビューの違い

    インフォセット

    インフォセットは、SAPクエリを作成するために必要なデータオブジェクトです。ここではデータ構造の定義を行います。テーブルやビューからSQLで自動的にデータを取得してデータ構造を作成しています。

    SQLでDBテーブルからデータを取得します

    また、インフォセットをユーザーグループに設定することで、特定のユーザーだけがデータにアクセスできる権限管理も行うことができます。

    インフォセットの設定はトランザクションコードSQ02から設定を行うことができます。

    クエリ

    クエリはデータの表示設定が行われている場所です。どのように画面表示するかを設定できます。

    クエリで、インフォセットとユーザーグループを設定します。これによって、誰に何の情報を表示するかを決めることができます。

    クエリの設定はトランザクションコードSQ01から設定を行うことができます。

    クエリには項目グループの中に項目があるので、インフォセットと項目が一致している必要があります。また、クエリ調整の機能を覚えておくと便利です。こちらは項目の型などの不一致を自動で調整してくれるためエラーを修正できます。

    まとめ

    参考資料

  • SAP FIORIの紹介

    SAP FIORIの紹介

    FIORIとは

    FIORIとはSAPのアプリケーションの設計システムのことで、洗練されたUIとどのデバイスからもアクセスできる点が大きな特徴です。ユーザーはこの特徴を活用して、リアルタイムで経営状況を把握できるようになります。

    FIORIの利点

    SAP FIORIを使用することにより、生産性とデータ品質を向上させ、ユーザーの満足度を高めることができます。

    ・最適化されたネイティブモバイルアプリとレスポンシブWEBアプリ

    ・スピーディーなアプリカスタマイズ

    FIORIでできること

    ビジネス目標の達成

    ユーザーが早期にSAPを使えるようになり、スピーディーに作業を完了させることができます。

    新しいソリューションのイノベーション

    テンプレート、ツール、ガイドラインが容易されており、一貫したデザインのアプリ構築が可能になります。

    高速アプリ構築

    高速アプリ構築のためのガイドラインを読む

    https://experience.sap.com/fiori-design-web/

    アプリ構築のためのドキュメント

    YouTube Channelhttps://www.youtube.com/@sapdesign2010/videos
    FIORI Communityhttps://community.sap.com/topics/fiori
    Design guidelinehttps://experience.sap.com/fiori-design/
    Apps Reference Libraryhttps://fioriappslibrary.hana.ondemand.com/sap/fix/externalViewer/
    SAP UI5https://ui5.sap.com/
    Web Componentshttps://sap.github.io/ui5-webcomponents/
    FIORI Elementshttps://experience.sap.com/fiori-design-web/smart-templates/